院長コラム

第1回 皮膚とわたしの簡単な自己紹介

こんにちは。めぐろ皮膚科クリニック 院長 深野祐子です。
2014年8月にめぐろ皮膚科クリニックを開院いたしました。

1995年に大学を卒業して医師になり、皮膚科の診療や研究に携わってきました。皮膚科を目指したきっかけは、大学生の臨床実習で皮膚科の先生が見ただけで「これは帯状疱疹だね。」と診断されたこと。それまで、内科や外科の実習で血液検査やレントゲンなどの所見を集めて診断をしていたことにくらべて、話が早い!と思ったからです。実際に皮膚科医になってから、皮膚のもつ機能や役割、皮疹はそんな単純なものではないと気づくのですが、皮膚という臓器のすばらしさも同時に発見し、現在に至ります。このコラムでは、皮膚に関するお悩みやよくある病気、そして治療法について発信する場にしたいと思います。診察室にいるときのように、なるべくわかりやすい説明を心がけて書くつもりです。どうぞよろしくお願いいたします。

皆さんは「皮膚のお悩み」と聞いたときに、どんなことを思い浮かべますか?ある方は湿疹やアトピー性皮膚炎を思い浮かべるでしょうし、また違う方は水虫かも?と悩んでいるかもしれません。はたまた、最近小じわやしみが気になるわ...という方もいらっしゃるでしょう。皮膚のお悩みといってもその内容はバラエティに富んでいます。老若男女問わず、皮膚に関しては、病院に行くほどではないと思いつつ、ひとつは気になるところがあるのではないでしょうか?時には「これはひょっとしたら癌?」「アレルギー?」「内臓が悪いのでは ...」と心配することもあるかもしれません。また「いつまで薬をぬるの?」「ステロイドは 怖いから使いたくない。」といった治療に関する疑問や葛藤もあると思います。

問題解決を行うためには、まず置かれている状況を分析し戦略をたてることが重要です。これはみなさんが普段、問題に直面したときに自然に行っていることと思います。しかし、診察をしていると、皮膚の構造や機能をすっとばして、目の前の病気をなんとかしたい!という気持ちが空回りしてしまっている方に出会うことがあります。自分の皮膚を、大まかでも理解すると、治療がスムースに進んだり、よくわからない不安が解消されたりするのではないかと感じるのです。

というわけで第1回は皮膚という「臓器」の簡単な自己紹介をしようと思います。「皮膚って臓器だったの?」と驚かれる方もいらっしゃるでしょう(実際お話ししていて びっくりされたこともあります)。はい、皮膚とは人体最大の臓器といわれており、その表 面積は1.6平方メートル、畳1畳より少し小さいくらい、重量は体重の16%、体重60kgの人の場合9.6kgを占めています。結構重くて大きいですよね。しかし厚みは数mm程度しかありません。

皮膚というと首の皮一枚で...、という表現がありますが、実際には表皮・真皮・皮下組織の3層に分かれています。一番外側の表皮は厚さわずか0.2mm、鉛筆で線を引いたものと同じく らいの厚さですが、その内部は10数層の角化細胞からなり、約30~45日をかけて下層から上層に成熟しながら移行し、最後は角層となり剥がれ落ちることを繰り返しています。このサイクルを表皮のターンオーバーと呼びま。(美容に詳しい方は、雑誌などでターンオーバーという言葉は聞いたことがあるかもしれませんね。) ターンオーバーがうまくいかず、未成熟な角層がつくられてしまう、角層が上手く剥がれ落ちない、などの異常がさまざまな皮膚疾患の原因となります。実際、日常診療でよくみる湿疹には皮膚のバリア低下にひき続いて表皮の炎症が起こっていることが少なくありません。

その表皮の直下に存在する真皮は、皮膚の弾力や強靭さを保っており、コラーゲンとエラスチンが豊富な部位です。毛包、脂腺、汗腺、神経や血管などの大切な器官が真皮に含まれています。コラーゲンやエラスチンの減少がしわやたるみとして現れてきます。その下にあるのが皮下組織。主に脂肪で構成されており、外部からの衝撃を吸収するクッションとして働いています。

皮膚の主な役割は外界の物理的・化学的な刺激から身を守ることですが、そのほかにも水分や体温の調節、免疫調整といった人体が安定した状態でいるための役割を担っています。そして熱い・冷たいなどを知る感覚器としての役割、そして、社会的・性的な役割も行うという他の臓器にはない特徴があります。これはたとえばビジネスや政治的な場面で信頼を示す握手や恋人や家族など親密な関係にある人と手をつなぐ、ハグをするといった例をあげると想像しやすいと思います。また、かつて欧米では日焼け肌が、アジアでは白肌が、ステータスであったように、皮膚が社会的な役割を担っているケースもあります。
皮膚の疾患はかゆみや痛みがなくても、見た目がいつも異なるだけでも日常生活に影響を及 ぼすことが広く知られています。

皮膚科医は皮疹を診察するときには、「皮膚のどのレベルで何がおこっているか?」ということを常に意識しています。私が医師になりたてのころ、先輩に「皮疹をみて、病理組織(皮膚を縦切りにして染色し、顕微鏡で見て診断する方法)所見が浮かぶようにならないと、皮膚科医として一人前ではない。」と言われたことを今でも忘れず、診療にあたっています。最初は思い詰めた表情の方が、治療効果があがり、患者さんが明るい顔になっていくのを見るのは皮膚科医にとってもとても嬉しいことです。
皮膚のお悩みがあったら、お気軽にご相談ください。
2014.09.16 深野祐子

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